近年投資ブームになっているという背景から増加している投資詐欺。簡単に投資ができるからこそ慎重になる必要があります。
さらに、最近ではLINEを通じて投資詐欺を行う悪徳詐欺集団が多発しています。実際にLINEも定期的に注意喚起をしています。
詐欺師は詐欺のプロなので、詐欺師の犯行手口も日々進歩しています。詐欺師は社会状況に応じて、被害者の心理を巧みに揺さぶったり、新しい技術を用いたりなど、あらゆる手段で被害者を狙います。そのため、「私だけは大丈夫」と思っていると、詐欺師に足元をすくわれかねません。
この記事では、LINEで投資詐欺グループに招待された際に取るべき行動や状況に合わせた対策方法を解説していきます。
【この記事でわかること】
最後まで読むことでLINEの投資詐欺グループの特徴を理解し、適切な対処法が取れるようになります。
LINEで投資のグループに招待された!-その際に取るべき行動は3つ
「LINEの投資詐欺グループに招待された」
ここではこのような場面に遭遇した場合に取るべき行動を3つ紹介していきます。
証拠を集める
まず、詐欺の可能性があると感じたら、すぐに証拠を集めましょう。
これには、グループ内での会話のスクリーンショットや、不審な取引に関するメッセージ、送金要求などが含まれます。これらの証拠は、後に警察や専門家に相談する際に非常に役立ちます。
投資詐欺の場合に、民事上も刑事上も責任を追及する際に、必ず必要になる証拠は、「相手の氏名・住所・送金履歴・投資案件の内容の説明についてのやり取り」が必要になります。これがないと、弁護士も警察も取り扱い不能となる場合が非常に多いです。なので、必ず、自分が何に投資をするかはメールなど文面で残し、送金も現金手渡しや暗号資産での送金は絶対にしないでください。また、電話番号など相手の個人情報はなるべく多く集めてください。LINEのアカウントなどは、証拠として機能しません。
特に、金銭のやり取りを求めるメッセージは、詐欺の証拠として重要です。証拠を集める際は、プライバシーにも注意を払い、法律を遵守することが重要です。
LINEの運営会社に通報する
詐欺を発見した際にはLINEの運営会社に通報することが重要です。
通報は、LINEアプリ内の通報機能を利用するか、公式ウェブサイト上の連絡先を通じて行うことができます。
通報する際は、先に集めた証拠を提供すると、運営会社が問題を理解しやすくなります。
運営会社に通報することで、他のユーザーが同様の詐欺に遭うリスクを減らすことができます。
LINEで投資詐欺行為を通報する手順は以下の通りです。
- チャット画面を開き、画面右上の「≡」メニューをタップ
- 「設定」を選択
- 「通報」をタップ
- 通報の理由を選び、「同意して送信」をタップして送信
詳細な情報や指導については、LINEのセキュリティガイドを参照してください。
グループから退会をする
証拠を集めて通報が完了したら、できるだけ早くそのグループから退会しましょう。
投資詐欺グループに長く留まることは、さらなるリスクを招く恐れがあります。
そのため、投資詐欺の可能性があるLINEグループに遭遇した場合は、冷静に証拠を集め、グループから退会し、運営会社に通報することが重要です。
これらの行動は、自分自身だけでなく、他のユーザーを守るためにも役立ちます。
LINEの投資詐欺グループの実例は?-スクショなどを大公開-
「実際のLINE投資詐欺グループの実例は?」
ここでは実際に投資詐欺グループに招待された経験がある人の実例を引用しています。
LINEの投資グループスパムが来たので、グループ名を「ちんすこうはおいしいですね」に変更して戦っています。 pic.twitter.com/A2SS00T2Va
— 吉永龍樹(ヨシナガタツキ@僕秩) (@dfnt) February 12, 2023
例のLINE投資グループ
①謎の投資LINE Gに「中村浩之」を名乗る怪しい人物が登場。サクラ達が「先生!」と崇めたてる
②中村浩之を友達追加すると、先生の面接が始まり、興味があることを示すとまた別のLINE Gに追加される
③そこでは各々が投資について情報交換し、時折先生が登場しご高説たれる pic.twitter.com/eld8nKpHcy— おねばん(MBA)お願い営業バンカー (@pleasebanker) April 28, 2022
上記のように「先生」というワードがでてきたら要注意です。
また、グループにサクラを用意して会話を進めるという高度な手口があるのでこれにも注意が必要です。
LINEで投資詐欺に合わないための3つの行動
「投資詐欺グループに招待されないようにするには?」
ここではLINEで投資詐欺に遭わないために、事前にできる行動3つを紹介していきます。
知らない人が勝手に「友だち」追加できないように設定する
まずは、設定で見知らぬ人が友達を追加できないようにしましょう。
手順は以下の2つ。
電話番号による友だち追加の禁止
- LINEの[ホーム]画面で、右上の[友だち追加]アイコンをタップ
- 左上の[設定]アイコンをタップし、[友だちへの追加を許可]をオフ
IDによる友だち追加の禁止
- ホーム画面の右上(歯車のマーク〉を選択
- プライバシー管理をタップ
- IDによる友達追加を許可をオフにする
怪しいリンクやサイトをクリックしない
基本的に怪しいと思うサイトや見に覚えのないURLをクリックしないようにしましょう。
これらのリンクやファイルには、マルウェアやフィッシング詐欺の危険が潜んでいる可能性があり、個人情報の漏洩やアカウントの不正アクセスにつながることがあります。
Amazonや金融機関、運送会社を名乗った巧妙なメッセージも散見されます。信用する団体からのメールも、アドレスが本当にその団体のものであるか必ず確認してください。
個人情報の流出は非常に危険です。不審なリンクにアクセスしないだけでなく、身分証などの個人情報を向うに送らないようにしてください。免許証の写しを相手に渡すと、勝手に口座を作成されて犯罪に利用され、知らないその口座が凍結されてしまうことで、連動して使っている口座も凍結するなどのリスクが生じます。
安全を確保するためには、以下のポイントに注意しましょう。
- 知らない送信元のファイルやリンクを開かない
- URLの信頼性を慎重に確認してからクリックする
- 不審なメッセージを受けたら、すぐにLINEで通報
リンクが送られてきても安易にクリックせず、リンク元を調べるクセをつけておくと安全です。
金融リテラシーを身につける
投資詐欺であると判断できるようになるために、金融リテラシーを身につけることはLINEでの投資詐欺から身を守る重要なステップです。
特に、投資におけるリターンの平均値を知ることは、現実的な投資の見込みを理解する上で不可欠です。
たとえば、米国の株式市場の長期的な平均リターンは年間約7%とされています。市場の平均リターンを把握することで、非現実的な高リターンを約束する詐欺的な投資案件を見抜くことができます。
さらに、金融市場の基本的な動向やリスク管理の知識を身につけることも重要です。これにより、自分の資産を守りつつ、賢明な投資決定を下すことが可能になります。
そもそも投資詐欺の基準は?-詐欺と判断するためのコツ2選
ここではLINEグループで投資詐欺に遭っているかも?と自分で気づくことができるように投資詐欺の特徴や基準を解説していきます。
この記事を読むことで金融リテラシーをあげるだけでなく、詐欺の特徴についても理解できるため、自分を守ることができます。
通常の平均リターンよりも髙い値を提示してくる
高いリターンを謳う投資詐欺を見分けるには、いくつかのポイントに注意する必要があります。
投資の平均利回りは以下を参考にしてください。
- 株式投資:年間5%程度
- 投資信託:3%~10%
- 債券投資:1~3%
- つみたてNISA:保有期間20年で2~8%
もちろん、業績によって多少の前後はありますが、上記の平均の利回りと比較して明らかに高い利益やリスクのない投資を謳っている場合、それは詐欺の可能性が高いです。
また、商材に関する情報があまり提供されず、圧力をかけて迅速な投資を求めるような場合も警戒が必要です。
常に慎重に情報を確認し、疑問点がある場合は専門家に相談することがおすすめです。
緊急さをアピールし相手をせかしてくる
投資詐欺において、詐欺師はしばしば緊急性を強調し、相手をせかしてきます。
「今すぐ行動しないとこのチャンスはなくなる!」といった言葉でプレッシャーをかけるのが一般的です。このような緊急のアピールは、迅速な決断を迫り、十分な情報収集や検討の時間を奪うことを目的としています。
実態のある投資事業は、出資を募る際に、十分な検討の時間を与えるスケジュールで進められます。そのため、緊急性のアピールは逆に詐欺の可能性が高いです。
また、最近の手法では、お試しの少額取引の後に高額の取引を持ち掛ける手法も増えています。詐欺師は、取り急ぎお試しと告げて、少額の取引で1回開始させて配当を実際に行い、少額の成功体験を被害者に与えます。そして、信用させた被害者に対して、次は高額でチャレンジしようと持ちかけます。1回投資が成功しても、高額の金銭を入れる場合には十分に注意する必要があります。
投資判断は、通常、慎重に行われるべきであり、時間をかけて検討することが重要です。
急かされることなく、冷静に情報を吟味し、自分のペースで決定を下すことが、詐欺から身を守る鍵となります。緊急さを無理に訴えるオファーは、疑わしいと考えるべきです。
LINEで投資グループに詐欺被害に遭ってしまった-緊急相談先3選
ここではLINEで投資詐欺グループ上で被害に遭ってしまったり、金銭的なやり取りをしてしまった場合の相談先を紹介します。
自分一人で焦らず、専門家を頼ることでより事件の解決に近づくことで投資詐欺の被害を最小限にすることができます。
警察
投資詐欺に遭遇した際には、大きな被害がある場合特に、警察への相談を検討しましょう。
詐欺行為が犯罪である場合、警察は捜査を開始することがあります。詐欺の詳細、コミュニケーション記録、不審な取引の証拠などを提供し、迅速に行動することが重要です。
ただし、すべてのケースで警察が介入するわけではないため注意が必要です。
警察に相談したい人は、#9110を利用してみてください。
※土日・祝日及び時間外は、24時間受付体制の一部の県警を除き、当直または音声案内で対応。
※通話料は利用者負担
※受付時間:平日 午前8:30~午後5:15
国民生活センター(消費生活センター)
国民生活センターでは、投資詐欺被害に遭遇した際の相談支援を提供しているため、詐欺被害の具体的な事例や対処法についてのアドバイスを受けることができます。
さらに、窓口で相談を受け付けているので、相談を検討したい人は188の電話番号を利用してみてください。
・最寄りの相談窓口の電話が繋がらない場合の利用
・10時~12時、13時~16時(土日祝日、年末年始を除く)
・来訪や文書での相談は受け付けなし
・平日相談:03-3446-1623*
弁護士
投資詐欺の被害状況によっては弁護士に相談しましょう。
特に、投資詐欺による金銭面やプライバシーなどの法的問題に直面した際には、弁護士の専門知識が不可欠です。
とりわけ、自分で回収しようとして2次被害にあう事例が多くなっています。「返金はするが、手数料を先に振り込んで欲しい」「利益確定するが、そのために税金を支払った後でないと配当できない」など返金を引き合いにさらに金銭の要求をされて支払ってしまうケースです。このように、自力救済を図ると、被害を拡大してしまうことも多々あるため、必ず専門家への相談をするようにしてください。
場合によっては、裁判所による訴訟手続きが必要になることも。投資詐欺の被害を最小限に抑え、迅速かつ効果的に対処するためにも、弁護士への相談を検討してみてください。
まとめ:LINEで投資詐欺グループに遭遇しないためにセキュリティを徹底しよう
ここまでで以下のことを解説してきました。
- LINEで投資詐欺グループに招待された際に取るべき行動
- LINEで投資詐欺を未然に防ぐための行動
- 投資詐欺の基準は及び詐欺と判断するためのコツ
- LINEで投資詐欺被害に遭ってしまった際の相談先
投資をする際には、①お金を渡す人の情報を必ず確認するようにする(身分証や印鑑証明の提出を求めるなど)、②契約書を作成する(どのような案件にいくらいれて配当がいくらになるのか)、③送金は絶対に銀行振り込みにする、を徹底して、それを拒否する・言い訳して断ってくる相手の話しは信じないことが大事です。証拠を残すことを嫌がる人はほぼ詐欺師です。もちろん、それだけで詐欺被害をすべて防げる訳ではありませんが、簡単にできる予防方法です。弁護士や警察もこれらの証拠がないと動けないことが多いので、①~③は必ず求めるようにしてください。